夢の話

これは僕が見た夢の話だ。
言ってみれば唯の作り話。
でも、とても美しい話だから、どうか最後まで聞いてほしい。

僕は満天の星空の下、白百合が咲き乱れる野原で目を覚ました。あたりは甘ったるい花の匂いが充満している。虫は元気に鳴いているが、周りには人っ子一人いない。

僕は野原に寝転び、しばらく星を眺めていた。星座なんかわからないから、ただ眺めてるだけ。

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星を見るのにも飽きてきた頃、最初は気のせいだと、思ったけど夜空の真ん中で輝いてる星が大きくなった。

本当は大きくなったのではなくて、星が落ちてるってことがわかった時には、すでに走り出していた。

あの星を捕まえる。本当にそう思ったんだ。

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星が落ちてくる経験などなかった僕だったが(当たり前の話だが)、星がどんどん大きくなったのを見て、星が落ちてきている、というのをハッキリと理解しながら、僕はひたすらに走った。

星を捕まえる。

初めての経験に心躍らせながら、僕は走った。
どんどんと大きくなる星。
不思議と恐怖はなく、好奇心と昂ぶる心臓の鼓動だけが僕の心を支配していた。

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大きく大きく両手を広げて。
僕はその星を抱き締めようとして、そして、気がつくと光に飲み込まれていた。
それは初めての感覚。
熱くもなく、冷たくもない星。重くもなく、軽いという感覚すらない。
耳元で鳴る音は、小さな光のスパーク。一つ一つが弾けるたび、細かな粒子が心に舞い落ちていく。
僕は微笑む。
こんなに心からわくわくしたのはいつぶりだろう。
思い出したのは、遠いあの日の事だった。

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僕はベットの上。お母さんはひどく滲んでよく見えない。それが擦れる音で、僕とお母さんはビニールで隔てられていることがわかった。すぐに白い男――先生がやってきて、一拍、お母さんの影と共に近づいてきた。今思うに、彼らはすでに取り決めを交わしていたんだ。

僕は病気だった。なんという病気なのかは意図的に聞いていない。聞かされたのは、僕の世界がひどく限定されたということだけだ。このビニールの中が、僕の庭。

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あれから何ヶ月だったか、僕の世界は真っ暗だった。
今はもう風の匂いも、夜の星々の輝きも、雨の冷たさも、実感することはできない。
―――――――――――――これは夢―――――――――――――――――――――
―――――――――――――どっちが?――――――――――――――――――――
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そう時々、不思議なことがある、それは

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