だーきー
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窓際一番後ろの席
窓際一番後ろの席
# ホラー
堀 真潮
6765
16
2
窓際の一番後ろの席、そこにカヤノさんが座っている。
先月、突然亡くなったカヤノさんだ。
元々持病があったのだと、その時初めて知った。
カヤノさんは、生前の姿そのままで花の飾られた机に静かに座っている。
本当は生きているんじゃないかと思う事もあるけれど、彼女の横顔を透かして揺れるカーテンが見えたりすると「ああ、やっぱり死んでるんだな」と思う。
退屈な午後の授業、眠りを誘う先生の声を聴きながら、廊下側二列目一番後ろの席から、僕はカヤノさんを眺める。
カヤノさんが現れるのは授業中だけ。見えているのは僕だけらしい。
らしいというのは、見えていない振りをしている人がいるかも知れないからだ。
僕と同じように。
そして、カヤノさんは、ある人をじっと見ている。
窓際から二列目、前から二番目の席。
口元に微かな笑みを浮かべて、そこに座る人の背中をずっと見つめている。
五月に死ぬ魔女
五月に死ぬ魔女
# その他
綾里けいし
45.7万
80
8
―――魔女は五月に死ぬ。
―――だが、五月以外には決して死なない
そう、『何があろうとも』
三日月街には魔女がいる。
それは都市伝説の一つだ。
彼女達は五月に産まれてくる。そして五月に死ぬのだ。逆を言うのならば五月以外には決して死なない。交通事故に遭おうとも飛び降りようとも首を吊ろうとも病にかかろうとも、その命は続く。だが、五月にはただの人間と同じように死んでしまう。
それ以外、人と魔女に大きな差はない。
そう、語られている。
だが、光川圭の知る魔女はただの人間とは異なった。
彼女はとびきりの美人で不吉な人物だ。血を好み、悲劇を嗤う。不思議な力を持つのだとも自称している。それが本当か嘘かはわからない。 真偽を知ろうとも圭は思わなかった。そもそも永久子が本当に魔女なのかどうかも確かではない。確かに永久子は常人とは違って見えるものの圭はそう疑っていた。
――今までは
お嫁さんにしたいコンテスト1位の後輩と遭難した
お嫁さんにしたいコンテスト1位の後輩と遭難した
# ファンタジー
岩波零
10.3万
65
0
「先輩、起きてください先輩」
朝日さんの優しい呼びかけによって、俺の意識は覚醒した。
目を開けると、すぐ近くに朝日さんの美しい顔があった。彼女は高校の文化祭で行われた『お嫁さんにしたいコンテスト』で1位だった超絶美少女なので、思わず照れる。
朝日さんは心配そうに俺の顔を覗き込んでおり、その背後には雲一つない青空が広がっている。
「――えっ? なんで外?」
驚いて体を起こしてみると、なぜか俺は砂浜に倒れていた。