いつか
私はまだそれが、恋だということを知らなかった。
ヨナが私の手を握った、というよりは、互いが同時に手を繋いだ、と言った方が適切かもしれない。
部活単位で観に行ったオーケストラのコンサートで、隣に座った私たちは、いつのまにか手を繋いでいた。特別何かがあったわけではないが、互いが分かっていたというように、手を取り合い、互いの手を握りしめていた。
手と手が絡み合った瞬間、私は体の中心がホワッと熱くなったのを感じた。
ヨナもそうだろうと無意識に感じていた。
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