「探偵が消えた世界」への投稿
利用時間の終了を告げる連絡を取る前にふと時計に目をやると、午前2時を示していた。
(もうこんな時間か。あと1時間後には帰れるな)
昨日の21時から働き詰めである。客の入りが少ないとはいえ、連続の夜勤シフトは堪える。まぁ、隠し持ってきた漫画を仕事の合間にこっそり読んでいるから他のスタッフ程ではないけど。
該当する部屋へ電話を掛け、数コール後に受話器を取る反応があった。マニュアル通りの言葉を読み上げる。
「ご利用時間終了の10分前となります。延長等はございますでしょうか」
受話器の向こうから反応は無い。歌を歌っている最中ではなさそうだ。
古馬子
「うるっ..せぇ……なぁ………!!」
ウゥゥと唸りながら走る車…パトカーに罵声をあげる。
まるで自分を嘲笑うかのような街の騒音に対し嫌気が刺す。
彼は斜六、無職である。
そして…今
親から追い出され、宛がないため仕方なく公園のベンチで横になり絶賛ヤケクソ中である。
「はぁ゛ぁ゛……どうすっかな………友人なんていねぇし……ホテルに泊まるどころか自販機でジュースを買う金すらねぇ……」
バケモン卿