私が漫画の世界に転生できるとして、絶対に行きたくない作品の筆頭が鬼滅の刃だ。
先に断っておくと、私は鬼滅の刃が嫌いなわけではない。むしろ好きな部類であり、だからこそ声を大にして行きたくないと言える。
一般人は鬼に食われて死に、鬼殺隊に加入しても大抵は鬼に食われて死ぬ。
鬼になって人を脅すならジャンプ至上最悪の上司である鬼舞辻󠄀無惨に一生を捧げなければならず、上弦の連中は一部を除いて異常者まみれ。下弦は文字通り解体され、その下は一般の鬼殺隊士にも劣る。
閑話休題。私が置かれている状況に目を向けることにしよう。
私は今、襲いかかってきた鬼らしきものを滅多打ちの滅多刺しにして殺したのだ。
気がつけば山の中で、現在地も不明。鬼滅の刃の世界に飛ばされたなどという(悪)夢のような結論に至るひど幸せな頭は持ち合わせていないが、現状では一番納得のいく仮説だった。