太公望
平和にニートしていた僕を狂わせた、窓から見えたアレ
平和にニートしていた僕を狂わせた、窓から見えたアレ
# ミステリー
太公望
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ああ、今日も最低な一日の始まりだ
今日でニート歴1年
履歴書にニート1年って書けるな
まあでもここで「履歴書」なんて言葉が脳裏に浮かぶ時点で俺はまだ完全なニートとは呼べないとも言えるな
窓を開ける
ニートの中には太陽光アレルギーの奴もいるらしいが、俺は違う
毎朝(週5回は12時前には起きるようにしている、偉い)起きてまず最初にすることは窓を開けることだ
太陽も、風も、外の喧騒も気持ちがいい
家の外など恐るるに足りない。なぜなら部屋という聖域【Sanctuary】に守られているからだ
窓を開けたからといって聖域【Sanctuary】の神聖さは失われない
朝(12時前)には起きる・外を必要以上に恐れない
このふたつの点において俺は他のニートたちと一線を画すと言えるな
この窓からはたくさんの日常が見える
今日は日曜か
子連れの家族、カップル、老人、子供たち
ん?『アレ』はなんだ……?
自殺したら死ねない理由ができました
自殺したら死ねない理由ができました
# ミステリー
太公望
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…あれ、私死んでない?
全身血だらけ
身体中の骨が折れているようだ
そう、私はビルの屋上から投身自殺したんだ
でも、生きてる
地面に衝突する直前に見た『アレ』
『アレ』を見た限りは、死ねない
ちょっと前まで死ぬことしか選択肢になかった私だが、今ならある
『アレ』を手に入れる、この手で
そう決意すると、私は立っていた
ボロボロの体のまま、何故か動けていた
痛みさえ感じない
さあ行こう
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