シークレットゲーム
俺の名は室川太郎!ごくごく普通の工場勤めの社会人だ!
「はぁ今日も仕事疲れたわぁ」
今日は定時まで仕事をし帰ろうとしていた
「先輩〜明日休みですし飲みに行きましょうよぉ〜」
こいつは後輩の水川豪俺を慕ってくれる数少ない後輩。
「別にいいけど奢りはなしな」
「はいはい分かってますよ。割り勘ですね」
「ならいいが」
「じゃっ先輩早く行くっすよ」
まぁこいつの事だから何やかんやで奢る羽目になるんだろなぁ。
「居酒屋の場所ってあそこの角辺りだっけ?」
「はいその辺っす」
そして俺と豪は歩いて居酒屋に向かっていた、、すると
『あっミスったわww』
と一瞬聞こえた。声の主は豪だろうと思い
「何かやらk、、」
その瞬間だった俺たちが歩いていた歩道に猛スピードの車を突っ込んできた。一瞬だった俺は車にはねられて即死した
「ん?ここは?」
目が覚めると俺は見知らぬ場所にいた。分かっているのは俺は死んだということだけ。だとすると閻魔大王に地獄行きか天国行きかに決められるのか。とか考えていたら
「ようこそいらっしゃいました。室川太郎さん」
前の方から女性の声が聞こえてきた。顔を見上げると女性が玉座座っていた
あんな美人が閻魔大王とは思えないだとすると何だ?その疑問はすぐに解消される。
「まずは自己紹介を私は第9代閻魔大王クリスティーナ・ブリアルシャです」
、、、閻魔大王かよ!俺のイメージだと鬼みたいな形相のやつを想像してたけどいや以外だな!てか名前!閻魔大王と名前あって無さすぎだろ
「まぁ驚きますよね」
うん驚かない方が無理です
「あなたの事は把握してるので自己紹介はいりません。それでは始めましょうあなたが地獄行きになるかはたまた天国へ行くかの裁判を...と言いたいところですが」
「室川太郎さんあなたに頼みたい事があります」
何だ閻魔大王が俺に頼み事?何頼まれんだ
「あなたにはある世界に行って欲しいのです」
ある世界?あれか異世界転生ってやつか。適当に返事でもするか
「その世界で何をすればいいのですか」
「うんまぁ色々あります。まずは、、」
閻魔大王が言った事を簡単に纏めると
1.その世界を安定させて下さい
なんでもあの世界は問題を抱えまくってるらしい
2.国を半分くらい滅ぼして下さい
うんえげつないの来たね
3.腐りきった教会勢力を滅ぼして下さい
うんえげつない
4.以上の事が完遂したら自由に生きてください
最後にむっちゃ平和
「以上の事をやってください」
むっちゃ笑顔で言い切りやがったよ
流石閻魔大王えげつない事を当たり前の用にやれと
「流石にあなた1人には難しいでしょうから助っ人を用意してるよ」
「助っ人って誰ですか」
「現地集合だから。その時のお楽しみ」
助っ人現地集合かよ!
何やかんやで話は進んで行った
「あの1つだけ聞きたい事があるのですが」
「何でしょうか」
「何で俺なんでしょうか?」
「あっ言った方がいいかな?怒らない?」
え?俺が怒るようなことなのか
「理由によりますね」
「正直に言うとあなたを間違えて殺しちゃったから」
「え?」
「
だからあなたを間違えて殺しちゃったの!」
詳しい話はこうだ
閻魔大王が俺が住んでた世界で遊んでいたとそしてちょっとイタズラしてみようとなって適当な車の速度をいじったとそしてその車に俺がはねられたと、、
「ふざけるなぁー!」
あっ声に出ちまった
流石の閻魔様もビビってるな
「すっすいません、、」
と半泣きで謝ってきた
閻魔大王とはいえあんな美少女に泣かれると罪悪感が
「はいそれで過ごすはずだった時間を異世界でのびのびと生活してもらおうと」
「生き返らしたりは出来ないんですか?」
閻魔大王ならその程度できそうだけど
「出来ない事はないのですが。蘇生には本人の体が必要ですが、実はあなたが死んでから3ヶ月経過しています。つまるところあなたの体は火葬されちゃってて蘇生できません」
えーとつまり俺が死んでから3ヶ月経過してると葬儀も終わり火葬されていると成程ね...えっ!
「何でそんなに経っているんだ?」
「それは簡単です」
なんでもここよりも地球の方が時間の進みが早いらしいここでの1分は地球での時間で1週間だとよ
「それでまだ聞いてませんでしたね。異世界に行き私の依頼を達成すると同時に自由に生きてくれますか」
勝手に話進んであたかも普通に行くぞ的な感じになりそうだったけどうんそうだね確認取ってなかったよね。
「別にいいが流石に何か特典的なのくれよ」
異世界転生といえば特典だ
「とりあえずステータスは最強レベルにしてありますし適当なスキルでもあげますか」
と閻魔大王は幾つかスキルを俺に提示した
鬼の解放 シンプルな身体強化系
命の灯火 生命を作れるとか何とか
精霊使い 精霊が一緒に戦ってくれる
とかなんとか
千里眼 名前のまんま
「この中から2つ選んでください」
2つか、、命の灯火何か面白そうだなこれは確定であとは千里眼便利そうなこれにしようかな
「命の灯火と千里眼でお願いします」
「分かりました。命の灯火と千里眼ですね」
「はいそれでは最終確認です。ステータスは最強レベルスキル命の灯火、千里眼です」
そういやステータス最強レベルになっちゃってる、、まぁいっか
「特にないですか?転生先はもちろん人間です。覚悟はいいですか」
「あぁ覚悟はできてる」
「それじゃいっくよぉー!」
はぁやっとかと安堵したが何か嫌な予感がする、、
「あっミスったわ」
嫌な予感的中したぁ
目が覚めた。一応千里眼は使えそうだ。
うーんと千里眼で分かったことはうん俺人間じゃない千里眼で三人称視点的なのにして見たらカブトムシ型のモンスターだった。
「ミスってこれの事か」
まぁ最終的には人型になれるやつだし大丈夫だろ...大丈夫だよな?
まぁ羽があるみたいだし飛んで見るか
「これをこうすればっと」
思ってたより簡単に飛べた羽って便利だ。
飛んで辺りを見渡したけどこの辺一体森だった。
「どうすっかなぁ」
えーとここスタートで国を半分くらい潰して.教会勢力も潰すのか、、うん無理ゲー
まぁステータスは最強らしいけど
最強を超える最強とか居そうだし
「そういや命の灯火は使えるのか」
使えるみたいだけど何かややこしそうだから後回し
「とりあえず家でも作ってのんびり過ごそうか」
そこら辺の木簡単に家を作っていた
「こんにちはっす!」
誰か話しかけてきた
「誰?」
急に話しかけてきたけど誰だ
「助っ人その1っす!」
あぁ助っ人ねそういやそんなのいたね
その1って他にもいるのか
「何て呼べばいいんだ」
「バラハと呼んでくださいっす!」
「バラハねよろしくね」
「何作ってるすか?」
「家作ってる。せっかくだし手伝って」
「はいっす!」
バラハの手伝いもあり日が暮れるまでに家が完成した
「とりあえず寝泊まりできる場所は確保できたな」
「お腹すきましたね」
そういやお腹すいたなぁ...
「あっ食料集め忘れてた」
「何ですとぉー!」
「ご飯どうするんですか!」
「暗い中歩き回るのは危険だからな。今日我慢だ」
てかカブトムシって木から出てくる汁飲むんだろ美味いかどうかは知らんが抵抗がある
「まぁ寝て明日だな」
大きめの葉っぱで作ったハンモックは寝心地抜群1度寝転がると朝まで熟睡さ、、寝れない!
「あっそういやカブトムシって夜行性だった」
カブトムシは夜行性そのおかげで朝まで時間を潰さねばならなくなった
暇つぶしを考えてたらバラハの寝室から話し声が聞こえてきた
早速盗み聞きをっと
「本日の報告は以上です閻魔様」
相手は閻魔ねうんうん...えっ!
『あと1つ聞きたんだけど間違えてインセクトに転生させちゃったけど怒ってた?』
「怒ってる感じはしてなかったです」
『よかった』
むっちゃ怒ってますよ表情に出さないだけで
『勝つ為にサポートお願いね』
勝つ?一体何に勝つんだ
色々新たな疑問が増えたバラハと閻魔の会話は終わった
「あれ早いすね」
バラハが起きてきたようだ
「寝てないんだよ。主に閻魔の野郎のせいでな」
「あっそうですね。カブトムシって夜行性ですしね」
バラハが何かを察し額に冷汗を垂らした
「そうカブトムシは夜行性だから寝れなかったんだ」
「だとすると昼間は寝るという事すか」
「そういや全く眠たくないな」
夜行性だったら昼間は寝るはずなのに全然眠たくない...ということは
「この体寝なくてもいいのかもしれないな」
「そうなんですね」
「これで一日中活動できる!」
「だったら早くご飯です!飯です!」
「よし!食料集めだ!」
「カブトムシに転生して大喜びしてました」
とその日の夜バラハが閻魔に報告するのは別の話
「この辺食べれそうな動物とかいるのかな」
「さぁ昨日家建ててる時に野うさぎ見ましたよ」
「じゃあ動物は居そうだし探すか」
少し進むと開けた場所に出た
「この辺なら何かいるだろ」
「あそこに何かいるっす」
「おっ食べられそうな奴かな」
千里眼を使ってと
「あれはオオカミか?」
「この辺りでオオカミって言うとダークウルフっすね。み無かったことにしてさっさと立ち去るっすよ」
「何でだ?」
「仲間意識が異常に高くて1匹でも殺っちゃうととんでもねぇ数のダークウルフが報復にやってくるんすよ」
「うんやめておこう」
そして場所を変えて狩りを再開した
「あそこに何かいるっす」
「おっどれどれまたダークウルフだ」
そしてまた場所を変えた
「またダークウルフ。ダークウルフ多くね?」
「この数が一気に森に繰り出すってなると狩りっすね」
「だとしたら今の俺完全にえさじゃね?」
「頑張るっすよ!」
全力で逃げた
なんとか家に戻りその周りで食えそうな木の実とかをかき集めた
「てかさ今の俺絶対肉食えないよな。なんで危険犯してまで狩りに出たんだ」
「それは気にしたら負けっす!」
「殴ってもいいか?」
「あはは!そんなへなちょこの足で殴られても痛くも痒くもないっすよww」
「そうか...ちょっと待ってろ」
「魔力使ってフル強化するのは違うじゃないすか。ちょっと待ってくださいっす!死にたくないっすよ!」
バラハの叫び声が森中に響いた
「これが男女平等パンチってやつすか...思ってたより痛いっす」
「いやお前どこでそれ知ったんだ」
「あはは。地獄って結構暇なんすよ。いつもアニメ見てましたっす」
「なるほどな。そういやこの世界ってさ進化とかあるの?」
「あるっちゃあるっすけどめんどくさいっすよ。条件とか条件とか」
「どんな条件があるんだ?」
「その前に進化にも段階があってインセクトの場合は5段階があるっす。それで条件なんすけど生きた年数っすね。そんで5段階目には50年すね」
「めんどくさ。てか今の俺ってどこまで進化できんの?」
「4段階目っすね」
「えっ結構行けんだな」
「これ実は前世の分も含むんすよ。前世の記憶がなかったらダメっすけどね」
「なるほど。んじゃとっとと進化するか」
「んじゃ来年まで暇つぶし頑張らないとすね」
ん?今なんか不穏な言葉が聞こえた気がするけど聞かなかった事にしよう
翌年
「えーとバラハさん少し話し合いましょうか」
「あははちょっと言い忘れてただけじゃないですか」
「他になんか言い忘れてる事あるよな」
「...ないっす」
「絶対あるやつやん!はよ言え!」
「この世界のルールとかそんな感じのなんすけど...」
バラハは渋りながらこの世界のルール的なのを説明し始めた
その1 神や神に準ずる者は1部例外を除いて世界に干渉できない
その2 各国に最低1人神の子と呼ばれる常人とはかけ離れた強さを持つ者が居る。強さや人数はその国の国力に比例する
その3 禁忌の領域に足を踏み入れと死ぬ
「あと細かい所のルールもあるっすけど今知っておいた方がいいのはこれだけっすね」
「ひとつ質問いいか?」
「なにっすか?」
「その禁忌の領域ってどこなんだ」
「この森っす」
「えっ俺ら死ぬの?」
「正確には向こうのほうに見える山のとこら辺す。設置型の即死魔法が山ほど仕掛けられてるっす」
「なんだよその恐ろしいとこは」
「特にそこに何かあるって訳じゃないんすけどね」
「なるほどな...」
ぐぅ〜
タイミングを見計らったかのようにバラハの腹が鳴った
「よし!なにか食うす!」
「それで食料はあるのか?」
「こんな事もあろうとそこら辺で食料を調達してきましたっす!」
「おぉ有能!...で何の肉?」
「...そこら辺に居たサルっす...」
「...」
「...またの名を欲望に負けた盗賊」
「人肉じゃねーか!カニバリズムはごめんだぞ!」
「今はね?人間じゃないし...大丈夫っすよね?」
「...そこは問題ないが...俺中身は人間だから。室川太郎だから」
「あっそうっす。ひとつ言い忘れてた事あったす」
「急に話変えたな」
「今の名前室川太郎じゃないっすよ」
「は?」
「それって前の世界の名前っすよね。前の世界の名前ってこの世界だと不都合が起きるんすよ。さっき言った細かいルールってやつっす」
「それでこの世界での名前何なんだよ」
「ゲーゼンっす。閻魔様が伝え忘れてたって言ってたっす」
「最後の方は忘れてっと...それでとりあえずゲーゼンって名乗っときゃいいんだな...名前とかも変わんのかよめんどくさいなぁ」
「そうっす色々変わるんすよ...名前以外も...」
バラハは続けて
「心も変わっちゃうんすよ...」
と言ったが
それは
ルール15 アバターへの非開示ルールの露見がある可能性のある文言はアバターには聞こえない
によりゲーゼンの耳には届かなかった
全然触れなかったけど人型になってる
てっきり最終進化でなるもんだと思ってたけど
なんか人型になれた
まぁそんな事を気にするのをやめて圧倒的フィット感を満喫したんだけどな
そんでめんどくさいという理由で後回しにしていた。スキルを試してみる。あらかたの使い方は把握したし
「種族 ホムンクルス
スキル 雷電童子
名前 バラスクラ」
突如として地面が円形に光だし文字のようなものが浮かび上がった
その文字は集まり生まれてくる者の体を作り上げた
それから10秒も経たぬ間にそれはこの世に生まれた
「ゲーゼン様ご創造頂き誠に感謝申し上げます。以降貴方様の手となり足となる所存です」
「とりあえずバラスクラあの木にスキル使ってみて」
「かしこまりました」
するとバラスクラはどこからか取り出した刀を構えた。そしてその刀に力を込めその刀は溢れんばかりの電気を纏った
次の瞬間目の前にあった大木は一瞬で灰となった
電気操る系の能力強いだろな的なノリでやってみたけど想像以上だな
てかその刀どっから持ってきたの
「...よしOKとりあえず休んどけ。奥の部屋空いてるからそこ使って」
「かしこまりました。それでは失礼します」
バラスクラが部屋に入るのと同時にバラハがゲーゼンの背後から現れた
「ほほう期待の新人っすね。他にも作るんすか?」
「いくつか案あるけど思ったより魔力消費が激しくてな。一日に一回が限度だ」
脳筋キャラとか作ってみたかったけど明日のお楽しみか
「えぇ作って欲しいのあったのにっす...」
「どうせろくな奴じゃないだろうが一応聞いてやる」
「筋肉ムキムキのマッチョマンの巨人族っす!筋肉は力って感じの脳筋っす」
「...なんでだよ...なんでこいつなんかと考えてる事が一緒なんだよ」
「という事は」
「これは俺が元々考えていた案をそのまま採用しただけで。決してお前の案を採用した訳ではない」
翌日ハーザスという見た目.スキル.思考その全てを筋肉に全振りした脳筋が誕生した
「想像以上だ。まさか虚無からプロテインを生成するほど脳筋に仕上がっているとは...てかプロテインってこの世界にあるんだな」
「嫌なんで生成のかにはツッコまないんすか!」
「スキルが『筋肉に愛されし者』で筋肉に関する事に限定するが世界の理をねじ曲げる能力を秘めている。それがプロテインを生成できる理由かは知らんが」
「なんなんすか最強じゃないすか」
「まぁ思考の殆どが筋肉に支配されてるからな。プロテインとかトレーニング用具生成するのにしか使ってないけどな...まぁ実戦に期待だな」
「...そういや一つだけ思ったことあるんすけど」
「どうしたんだ?」
「これで4人になったじゃないすか。予想すけどハーザス大食いそうじゃないすかそんでもって私も沢山食うじゃないすか...」
「あっ...」
「「食料が足りねぇぇぇ!」」
緊急食糧調達開始
バラハ.バラスクラ.ハーザスを連れ食糧調達に森に出た
「今のとこダークウルフしか見てないけど他の魔物とかは居るのか?ダークウルフの肉まずいから食いたくないんだよな」
「ここら一体はダークウルフの縄張りっすからね。ノコノコと入ってくる魔物はそうそう居ないっすよ」
「じゃあとりあえず縄張り抜けるか。どれくらい行けば抜けられるんだ?」
「ちょっと行った先に湖があるっす。その辺までっすね」
「んじゃ少し走るぞ」
少し走るとバラハが言った通り湖があった
「魔物全然いないんだけど」
「いつもならホーンラビットの群れがいるんすよ」
「なぁなんか嫌な予感しないか」
「確かこの辺にはオーガの集落が...」
「絶対それ...なぁなんか音しないか?上の方から」
ゲーゼンとバラハは悟りを開いたような顔で空を見上げた
「オーガってこんなにジャンプ力高いんだな」
オーガって喋れんのかよ!
他のオーガとは雰囲気が明らかに違う。おそらくはこの群れのリーダーであろうオーガが前に出てきた
「お前たち何者だ。ここに住む者たちはではない」
えっオーガって喋れんのかよ
「答えよお前たちは何者だ。ただの魔物ではなかろう。ダークウルフの血肉の匂いがする」
とりあえず見逃してもらうか
「付近に食えそうな魔物が居なくてな。ここまで来たんだ。邪魔だったら退くから。見逃してくれないか」
「名を答えよ」
「俺はゲーゼン.後ろにいるのはバラハ.バラスクラ.ハーザスだ」
ハーザスを見たオーガ達の目の色が明らかに変わった
「我がしんがりを務める。お前たちは早く族長に報告しろ!」
部下のオーガにそう命令を出すとそのオーガは剣を構えた
ルール9
「先日近隣の村が巨人族に襲撃された。我らの里を食い荒らしに来たか!貴様ら全員このズドが相手になってやる」
めっちゃ喋るなこのオーガ
あと多分ハーザス聞いてない脳内メーカーしたら隅から隅まで筋肉で埋まってる
「これだと面白くないよなぁ。とりあえず殺っちゃって」
ルール9
アバターの思考はプレイヤーがある程度操作できる
とりあえずボコすか
進化により純粋にスペックが上がり。そして更に魔力でフル強化したその一撃をたかが喋れるだけのオーガに耐えられる訳がなかった
その頃オーガの里では
血相を変えた同士が門に駆け込んできたのはほんの数分前
彼らは巨人族がすぐそばまで近づいてきている事を伝えた
数は1人との事だが他にもその巨人族を従えていると思しき魔人が居たという
「村々を襲っている巨人族とは別物のような気もする。だが我らに危害を加えるなら死を与えなければならん。兵を固めよ戦いの時間だ」
族長様がそう指示を出されたのもほんの数分前
それが今はこうなるとは
里にやってきたのは巨人族100人とダークウルフ200匹だった
里の防御は一瞬で崩され蹂躙された
兵士や産まれたばかりの赤ん坊まで巨人族やダークウルフに食い荒らされ惨たらしい姿へなった
頼みの綱であった兵士長は殿として最初に報告したもの達を逃がしたっきり帰ってこない
隠れ潜んでいる俺たちにはもう死を待つしか希望はなかった
ほんのさっきまでは
奇跡の雷
なんの前触れもなく雷が落ちてきた
それも数え切れないほど
そしてその全てが巨人族とダークウルフに命中した
「雷神が我らを救いになった!奇跡を起こしになられた!」
普段無口な長老が目を見開いて叫んだ。彼は熱心な雷神信仰者。狂信者と言っても差し支えないだろう
こうなるのも仕方なかった
これに勢い着いたオーガは巨人族とダークウルフを押し返し。撃退することに成功した
執行者
ルール1
ルールにて明記されている禁止事項に違反した場合プレイヤーは即失格後にほかプレイヤーからランダムで選ばれた執行者によってペナルティが執行される
ルール1補足
違反プレイヤーは執行者を退ける事が出来ればペナルティは免除される
ルール4
プレイヤーの現への干渉を1部例外を除き禁ず
「あぁー雷神やっちゃったね。執行者はあいつか...」
プレイヤー:雷神
アバター:サーゲ 前世カルソド・フット
失格
プレイヤーにペナルティが執行されます
執行者は
プレイヤーNo.14
太陽神
西方戦争〜今夜は馬刺し〜
オーガの事はもうどうでもよくなったので少し先に進むと平原に出た
そこでは魔法が飛び交い騎兵が突撃し人や馬が数え切れないほど倒れていた
巨体で目立つハーザスを森に待機させ俺とバラハは気配を消しながら物陰に隠れた。バラスクラは周囲の警戒だ
「これが西方戦争っす。開戦の原因が不明でしかも100年以上続いているっす」
「あれが言ってた奴かあれをどうにかすればいいんだな」
「最終的には終わらせないとダメっすけど。原因が分からないとどうやっても終わらないやつっすよ」
「じゃあとりあえず本来の目的を終わらせるか」
「今日は馬刺しっすね」
倒れていた馬を1匹拝借して俺達は森に戻った
作戦会議
「馬刺し上手いっすね」
「絶対明日腹壊すけどな」
「暴食にはそんなの関係ないっす」
バラスクラとハーザスは普通に火を通して食べていた
あらかた食べ終わったあとそこそこ大きめの机を取り囲み作戦会議を開いた
「俺達は表では活動出来ない。なら裏に潜ってしまおうという安直な考えだがぶっちゃけこれしか思いつかん」
「安直過ぎるっす」
「でもよ裏方から国とかを内部崩壊させるの絶対楽しいぞ」
「あぁ...完全にあれっすね...んじゃこっちが折れるっす」
「バラスクラ達はどうだ何か意見あるか」
「我々は貴方様のお心のままに」
「んじゃ明日からやるか」
バルマーハ王国の異変
バルマーハ王国
西方戦争に参戦にしている国々に武具を売り莫大な収益を得て発展してきた国
そこの裏社会は思いのほか規模が小さい
資金に余裕の出来たバルマーハ王国は軍を強化。その後裏組織を取り締まる為の部隊を作り裏組織を掃討していった
残っている組織も疲弊しており消滅は時間の問題だ
そんな中と最近確認された裏組織の拠点へ偵察に向かった部隊が全滅した
部隊のメンバーがそれぞれ四肢が欠損した死体。黒焦げになった死体。ぐちゃぐちゃに骨が砕かれた死体となって見つかった。そして1人が行方不明である
今まで返り討ちにすらあったことの無い掃討部隊が全滅し王やその側近たちはある組織の参入を危惧した
ゴールゾーラ王国の裏社会を取り仕切る巨大な組織
それが我が王国に進出してきたんだと考えていた
だが実際は違った
ただのパシリじゃねーか
「ねぇこいつどうするっす?食う?」
「情報は粗方吐いてもらったし。食わずにそこら辺に捨てとけ」
「バラスちゃん捨てといてっす」
「バラスクラは今暗殺に行ってる」
「これ雑用係がいないとっすね」
「確かにそういうのは欲しいな...作るか」
「いやそんな簡単にやっちゃっていいのっすか」
「いやお前が雑用係欲しいって言ったんだろ」
「そうっすねやっちゃってっす!」
「種族 エルフ
スキル ゼロ・アドバンス
名前 エルドレ」
円形の魔法陣からエルフが出てきていつもの決まり流れ
「という訳でエルドレはバラハ直轄ね」
待ってましたとばかりにバラハが早速パシ...命令を言い渡した
「早速こいつ捨てて来てそんでついでに焼きそばパン作ってきてっす」
「かしこまりました」
エルドレは早歩きでこいつを捨てに行った
「いやこれただのパシリじゃねーか」
広がる動揺
バルマーハ王国の貴族のベープ男爵家の屋敷。そこには軍派閥と呼ばれる貴族が集まっていた
ベープ家が緊急招集したのだベープ家は男爵家だがこの国での影響力は他のどの貴族よりも強い
「ベープ男爵。此度はいかなる用で我らをお呼びになられたのでしょう」
「先日ある拠点に向かった掃討部隊が1人を残して全滅。その後城の前に残る1人の死体が捨てられていた」
集まった貴族達はどよめいた
「まさかそんな事があるのか」
「まさかあのゴールゾーラ王国の」
貴族達に広まった動揺は留まることを知らなかった
「少し落ち着け...話を続けるぞ。此度の敵どうやらあの組織とは無関係みたいだ。簡単に言えば新参の組織。構成員も現在確認できているのは4名」
「なら数を当てれば何とかなりそうですな。今すぐ手配を」
「ならん」
「何故ですか」
「構成員4人の内少なくとも2人は人間では無い」
ざわついていた貴族は一斉に言葉を失った
希望
「片方は巨人族。もう片方がインセクター。残る2人は人間の見た目をしているがおそらく人間ではないだろう」
「では...」
貴族から期待の眼差しがベープ男爵に注がれた
「私が出る」
貴族達から歓喜の声が上がった
「早急に兵を集めろ。作戦日は3日後だ」
翌日バルマーハ王国の軍部のトップにして神の子であるスミット・ベープとバルマーハ王国の精兵がゲーゼン達のバルマーハ王国内の拠点を取り囲んだ
作戦会議
「やばくないっすか」
「数もそうだが明らかに大将的なやつ。あれはバラスクラが調べてたバルマーハ王国の神の子だな」
「どうするっす?」
「逃げ道はあるからな。強さ測ることくらいはやってもいいよな」
「じゃあやるっすよ」
「まずはハーザスとバラスクラが暴れて数を減らす。俺とバラハがあいつと戦うでいいか?」
「OKっす。暴れるっすよ」
『こちら第2分隊!現在巨人と戦闘中至急応援を...うああああああああ』
「第2分隊からの連絡途絶えました...至急第1分隊を応援に...」
参謀の顔から血の気が引いた
「第1分隊へ連絡魔法が繋がりません」
「予備部隊を投入。作戦を続ける」
「なっお言葉ですが第1第2分隊が全滅したと思われる今これ以上の損失は避けるべきです」
「撤退しろと」
「その通りでございます」
「お前も貴族の端くれなら分かるだろう」
参謀は沈黙した
「分からぬか...今我ら軍派閥とクルノル侯の派閥とは敵対関係にある。それは知ってるな」
参謀は小さく首を縦に降った
「我らはこの相手に1度敗北している。これ以上の敗北はクルノル侯に甘い蜜を与えることになる。その為撤退など断じて許されない」
「そういう事でしたら尚更兵の損失を避けるべきでは」
「はぁここまで言わな分からぬか。これ以上の兵の損失はない」
「撤退しないんすね」
「貴族は意地汚いってのがお約束みたいなもんだろ」
「はぁそうっすね」
「あっ防衛設備ぶっ壊された」
「来るっすよ!楽しみっす」
「頃合を見て逃げるからな。程々にしろよ」
「分かってるっす」
神の子ベープ
「ようこそベープ男爵」
「歓迎感謝する。中々豪華な部屋だ。おそらくここは君の墓穴になるだろう」
「死ぬつもりはないさ。それでもって俺はお前を殺さないい。情報が欲しいだけだ。神の子ってのがどのくらい強いのかってのな」
「なるほど私の情報が欲しいのですか。その願いは叶わないであろう」
言い切ると同時にベープはゲーゼンの背後に回り込んだ
「この程度か貰っ...」
ベープがゲーゼンを切り伏せようとしたその瞬間。その背後瞬時に回り込んだ。背後にとりながらも殺す意思も攻撃する意思も感じられない不思議な存在。そこから感じられたのは感謝。今から食すものへの感謝の気持ち
「いただきますっす」
とっさに後ろを振り向いたベープの眼前に写ったのは
餌に飢えた猛獣そのものであった
鉄まずい
「ペッペッ鉄まずいっすね」
「武器が壊されたいや...食われたか」
「俺の事忘れてんじゃないぞ」
金属音が鳴り響いた
「忘れてはないぞ」
「おめぇの体どうなってんだ硬すぎだろ」
「お前には言われたくないがな」
「そうかじゃあそろそろかな」
「逃げるのか」
「言ったろ情報が欲しいって。今の攻防で十分情報は集まった」
「逃がすとでも」
「まぁまぁ落ち着けそっちの目標ってさこの拠点を放棄させることでしょ。んでそれを踏まえてこれを」
壁にハーザスが予備部隊と戦闘している映像が映し出された
「部下達には俺が誰も殺さないようにと命令してある」
「脅しか...」
「これ以上の兵の損失は仮に俺達の首が取れてたとしても王宮での追求は避けられないだろう」
「...仕方ない...この提案を飲もう」
「それではまた会う日まで。バラハ行くぞ」
「さよならっす」
緊急議会
ここはバルマーハ王城の玉座の間
その日クルノル侯、ベープ男爵を含めた多数の貴族が招集された
「ベープ男爵!此度の件の説明を願う!」
「静粛にクルノル侯」
「陛下!此度の件の甚大な被害!5つある対暗部組織部隊!その内2部隊を失うという失態!」
「静粛に言ったであろうクルノル侯」
「申し訳ございません陛下。ですが」
「それを含めて説明願おうベープ男爵」
「かしこまりました陛下。それでは説明します」
「なるほど敵は人間ではないと...ゴールゾーラ王国へ使者を送ろう。クルノル侯頼めるか」
「王の御心のままに」
「ベープ男爵。お主は失った兵力の回復に努めよ」
「かしこまりました。その前に1つ陛下にお願いしたき事が」
「娘との面会だな。よかろう許可する」
「感謝します」
「それでは此度の件に関する緊急議会を閉会する」
バルマーハの神の巫女
「顔を上げてくださいベープ男爵」
「ははぁ」
「貴方は私と同じ神の子です。このような事は必要ありません」
「殿下からのお願いとはいえそれは出来ません。貴方様はこのバルマーハ王国の第1王女であらせられる。それに比べ私は一介の男爵です。敬意を示さねば無作法なもの」
「私はあなたと対等だと思っております」
「ありがたき幸せ」
「それでは本題に移りましょう。先日の件ですよね」
「その通りでございます」
「私は深追いすべきとは思いません。此度の件既に強欲の使徒にも知れ渡っているでしょう。好機と見られ進出してくるやもしれません」
「殿下それでは」
「あなたと考えている事は同じみたいですね」
「ですがそれは貴族達の反発を招きます...」
「それでもやります。あなたなら彼らの居場所が分かるのでしょう」
「はい分かりますが...その前に陛下の許可を求めましょう」
「来たか。応接間に案内しろ」
「かしこまりました」
「おっ来たんすね」
「あぁ来た。んじゃさっさ準備して応接間行くか」
ゲーゼン達が応接間を到着した時既に彼らは応接間のソファーに座っていた
(ベープ1人だと思ってたが。もう1人居るな。顔を隠しててよく分からないが...女だな...もしかして巫女か。だとしたら顔を隠してくれた方が都合がいい)
「待たせたな...この前の続きか?」
「今の私に戦う意思はない。話があるのはこちらのお方だ」
「私はバルマーハ王国第1王女カディア・クイル・スピカです。訳があり顔を見せられず申し訳ございません」
「事情は把握済みだ。無用の気遣いは不要。必要ないかもしれませんが私はゲーゼン。この『業深き信徒』の代表である」
「それではゲーゼン殿。率直に申し上げます。我々バルマーハ王国と手を組みませんか」
ゴールゾーラ王国
大陸の東側その大半を支配する大国ゴールゾーラ王国
大国の名に恥じぬ豪華絢爛な王都の建物や貴族の屋敷、そして何より人々の目を引くのが王城
その玉座の間にはバルマーハ王国の使節団が来ていた
「表をあげよ」
玉座の間に響いた重々しい声の主はゴールゾーラ王エルゲン二世その人である
「ゴールゾーラ王。歓待に感謝申し上げます」
「世辞はいい。クルノルとやら。此度の件余も聞き及んでいる」
「であれば」
「前向きに検討しよう...ただし現在我が国は強欲の使徒を王都から掃討しようと考えている。それに協力するのが条件だ」
「申し上げにくいのですが。それは私1人では判断できません。1度国に帰り検討したく存じます」
「そうか前向きな答えを期待する」
エルゼンはクルノル候らが玉座の間から出ていくのを確認すると横の側近に目をやった
「との事だ。強欲の使徒殿どうする?」
バルマーハ王国編[完]
強欲の使徒編に続く...
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あっミスったわww第1部のリメイクとなっています
大方のストーリー展開は同じなので飽きると思いますがよろしくお願いします